息子が小児がんになりまして。vol.7 〜ひとりじゃない、繋がる強さ〜
こんにちは。
のり(8歳・女の子)たけ(5歳・男の子)の母、noritakeです。
男の子は4歳の時に突然、脳腫瘍という小児がんが発覚しました。
前回の話はhttps://mamasky.jp/columns/post/2961
今回は、「闘い」についてのお話です。
一時退院中、男の子は徐々に体力を戻していきました。
毎日を大事に、ゆっくり過ごします。
だけど、夜はほとんど眠れません。
寝ていると「イヤだ〜!」「お母さーん!」と手足を伸ばして泣き叫びます。
でも本人は無意識なので、いくら母親が目の前にいて声をかけても暴れる一方です。
後に、これは成長段階で脳が睡眠と覚醒のバランスをとれない「夜驚症」と知りました。
お母さんも、やっぱり夜はほとんど眠れません。
時々、静かに寝てる男の子を見ると不安になってしまいます。
そして男の子の鼻先に手を当てて呼吸を確認したり、男の子の胸に耳を当てて鼓動を確認したり…
当たり前の生活に戻るには、不安が尽きません。
子ども達といる時は笑顔でいられても、ひとりの時はズタボロです。
男の子は「不都合さ」と、お姉ちゃんは「寂しさ」と、お母さんは「不安」と闘っていました。
お母さんは一時退院の前に、主治医から次の手術と術後の説明を受けていました。
まだ治療は始まったばかりなのに、すでに心が潰れそうでした。
元気!勇気!笑顔!
そんな時、姉に誘われ富山商業高校の野球試合を見に行きました。その席は、ちょうど応援団とチアの間の席でした。
チアのテーマは「元気!勇気!笑顔!」
私の姪っ子は幼い頃から、地元のチアチームに入っていたので、チアは子ども達と何度も見てきていました。
しかし、この時の彼女達の一生懸命さ、応援団の腹の底からの声援、声が枯れるまで誰かを全力で応援する姿勢に、気付くと涙が止まらない状態でした。息子も同じくエールに釘付けです。
私は、自分が応援されてる気持ちになっていました。そして気付くと自分も大きな声で選手達を応援してました。
このエールは、
潰れかけていた私を奮い立たせてくれました。
「病と闘う」と書いて「闘病」
今も病院で闘病中の子や家族がいます。
そして小児がんや難病は完治が困難なため、例え治療が終わり退院しても、ずっと見えない不都合と闘い続けます。
自分のことなら諦めたかもしれない、でも我が子のことになると諦めることができませんでした。
私は人に頼ったり相談したりするのが苦手で、一人で抱えがちでしたが、退院後の生活で教えてもらったことがあります。
それは「自分を責め続けても何も解決しない」ということ、「闘病はひとりじゃない」ということ。
そして「病気も障がいも全部含めてそれが個性」ということ。
困難な問題を抱えてしまった時、ひとりだと迷子になってしまうけど、
“手を伸ばし先に経験した人がいたら方向を教えてもらえる”
“共感できる仲間がいたら解決する方法を前向きに考えられる”
迷いながらも方向と方法が見えれば、あとは前に進むのみ。
腫瘍発覚一年後、方向を示してくれる人と出会えました。
それからさらに半年後、方向を共に考えられる仲間に繋がりました。
「障がい」と思うから受け入れるのに抵抗があったけど、これが息子の「個性」と思えた時、今までとは違う気持ちになりました。
ここ富山県では小児がんの症例が少なく、また息子が県外で治療したこともあり、県内で小児がんサバイバーと繋がることが困難でした。
サバイバーと繋がった今、満を持してテーマを共有する家族会を結成することができました。
一人じゃ限界になった時、ギリギリになった時、逃げ出したくなった時、前向きなんてなれない時。
何かをする訳ではないけれど、一緒に泣いて一緒に乗り越えるチカラを見つける仲でありたい。
今回の家族会立ち上げにあたり、必要な人に届くエールがあって欲しいと校歌祭に相談したところ、富山商業高校と高岡商業高校応援団による愛と正義のエールを頂きました。このエール動画は富商広報部の皆さんが作成中です。
この家族会結成初のチャリティは、ママスキーさん主催の「mamasky party 2021〜ありがとうを届けよう〜」への参加企画。
ccctは公益財団法人がんの子どもを守る会と共催で「いろんな子」をテーマに、小児がんと障がいの周知ワークショップを行います。
病気やハンデのある子もない子も一緒に、楽しみながら「いろんな子」について知るきっかけとなり、子ども達が自分で生き方を選び、笑顔になれる社会を願ってます。
がんの子どもを守る会HP
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