我が子はダウン症 それがどうした! ~暗黒期編~

こんにちは。

先天性疾患(染色体疾患:ダウン症候群)がある子を育てているママです。

先天性疾患とは、生まれたときから持っている何らかの病気のことを言います。染色体や遺伝子の異常などさまざまな種類があり、赤ちゃんの100人に3~5人は生まれたときから何らかの病気を持っていると言われています。

我が子には染色体疾患(ダウン症候群)があり、先天性心疾患やその他の合併症を抱えて生まれてきました。

※ダウン症だからと言って、必ずしも合併症が起きるわけではありません。

新型出生前診断(NIPT)の拡大などで何かと染色体疾患(主に13,18,21トリソミー)について注目を浴びがちなのですが、実は染色体疾患を抱えて生まれてくる子の割合は先天性疾患の約1/4 (25%)にしか過ぎないのです。意外ではないですか?

ちなみに、先天性疾患の25%を占める染色体疾患の中で21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)が胎児の染色体疾患の約7割を占めています。

今回は、障害がある子の母になって約4年。我が子を出産してから今に至るまでの自分の正直な気持ちをありのままに書いてみようと思います。ドキッとするような表現が含まれていますが、私が感じたありのままを記載したいと思います。

※我が子を出産した当時のことを私自身が感じたまま綴っています。障害がある子を授かったすべてのママが私のように感じたり、思ったりするわけではありません。あくまでも「私見」として捉えてくださるようお願いいたします。

☆我が子の障害告知の時思ったこと

新生児集中治療室(NICU)で主治医から我が子に障害があると宣告されたとき、ショックという言葉では言い表せない悲しみと絶望感が押し寄せてきました。そして同時に出産前に自分が思い描いていた未来が容赦なく音を立てて崩れ去っていくのを感じました。この悲しみと絶望感はきっと、当事者にしかわからない苦しみなのではないかと思います。幸せそうな産婦さんの声や健康な赤ちゃんの泣き声が病室の外から聞こえるたび、気分がどん底まで落ち込み、泣き崩れていました。そして、あろうことか、

「障害児を産んで、人生終わった」

とさえ感じてしまったのです。

当時の気持ちをいま振り返ると、

「死ぬまで一生我が子の世話をして生きていかなければいけない」

と勝手に思い込んで、

勝手に不安がって、

勝手に自分だけ不幸な親になってしまったと思い込んでいただけのように思えます。

同年代の定型発達の子と比べると、どうしても成長はゆっくりです。一つのことがが出来るようになるまでの時間が人よりも長くなりがちです。

ですが、「全く出来ない」わけではありません。

我が子のペースで「〇〇ができた!」をコツコツ増やしています。

親として将来に全く不安がないと言えば嘘になりますが、「〇〇できた!」を増やしていった先に、我が子自身が(周囲のサポートは必要ですが)自分の「意思」で「自分の道を歩んで行ける未来」が待っているかもしれないと最近は思っています。

☆親への告知について

主治医から出産翌日

「お子さんはダウン症です。」

と告げられ、私たち夫婦は早々にそれぞれの親に報告することにしました。

実父からは

「なぜ生まれる前に分からなかったんだ!」

と言われ、その言葉に大変ショックを受けたのを覚えています。

逆に義母からは

「目も鼻もお口も手も足もある。普通の赤ちゃんと何が違うんだろうねぇ。。こんなに可愛いのに。。」

と言って我が子の手を撫でてくれました。そして

「大切に育てていかれ。協力できることはするから何でも言われ。」

と激励してくれました。義母のやさしさが本当にありがたく思いました。

☆退院後の生活

退院後在宅医療となり、家には大きな酸素濃縮器の機械が設置されました。サチュレーション(血中酸素飽和度:SpO2)モニターのアラームが事あるごとに鳴り響く生活は、とてもストレスが多く、アラームが鳴ってもいないのに幻聴すら聞こえてきてしまったほどです。我が子と言えば、ミルクが欲しいと泣くこともなく、ただひたすら寝ているばかり。目を開けても表情は乏しく、自分自身が思い描いていた育児の「理想」と「現実」のギャップに苦しみながら過ごしていました。

今では、そんな過去があったのが不思議なくらい、よく笑い、よく泣き、よく食べます。逆に昔の方が懐かしく思えてくるくらいの活発ぶりなので、もう少し抑えて欲しいと願ったりもします。ないものねだりばかりするわがままなママです。

☆励ましの言葉は時には「凶器」にもなるが「やさしさの贈り物」にもなる

障害がある子を産んでよく言われるのが、

「親を選んで生まれてきた」

「ダウン症は天使」

という言葉。

暗黒期真っ最中のわたしには、どの言葉も安っぽい綺麗ごとにしか聞こえませんでした。その言葉をかけられるたび

「選ばれたくなかったわ!」

「何が天使だよ!」

と心の中で絶叫していました。

相手がわたしを励まそうと思い言ってきているのも理解できるので、

「ありがとう・・・」

と返すようにしていましたが、子の障害に向き合えない時期や心が弱っているときにその言葉を言われると正直しんどかったです。

逆に胸の奥にスッと入ってくる言葉をかけてくれたのは、同じ疾患の子をもつ先輩ママで我が子が小児病棟に入院していたときの病室の担当看護師さんでした。

その看護師さんから、

「大丈夫だよ。ちゃんと成長するよ。心配しないで。」

と優しく声をかけてもらったことが凄く印象に残っています。

その時点で我が子はまだ生後3か月程度。自分では平静を装い明るく努めてましたが、先輩ママには不安に駆られている気持ちを見透かされていたのかもしれません。同じような経験をしたママからお話を聞いたり、話を聞いてもらったりしていくうちに心がずいぶん軽くなったような気がしました。

長くなったので、「暗黒期編」はここまでとします。

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